顔面神経麻痺

                                   公開日:2024年 10月15日      
                                   更新日:2024年 10月15日

目次

 顔面神経麻痺とは?

 

顔面神経麻痺とは、顔面の表情筋(表情を作る筋肉)

を支配する顔面神経が麻痺し、顔面の動きが悪くなる

病気のことです。

通常は片側だけが麻痺し、両側が麻痺することはまれ

です。30歳から60歳代の働き盛りに多い疾患です。

1年間で、10万人あたり50人ほどが発症するとされて

います。

 

 症状とは?

 

  顔の動きの低下によって

  • ・口角が下がる
  • ・口の動きが悪くなる
  • ・よだれや飲食物が口角からこぼれることがある
  • ・目が閉じられず、充血しやすくなる
  • ・眉毛を上げることができない
  • ・額にシワを寄せられない
  • などの症状に加え、
  • ・音が耳に響く
  • ・味覚低下
  • ・涙の減少
  • などもみられます。
  • これは表情筋のほか、耳の中の筋肉、味覚、
  • 涙の分泌にも顔面神経が関与しているためです。

 

 考えられる原因

 

 顔面神経麻痺は2種類に分けることができます

 

  末梢性顔面神経麻痺… 脳幹から末梢の顔面神経に障害が生じる(約90%)
 

     ・ウイルスによるもの ①ベル麻痺(約60%)

                ②ラムゼイ・ハント症候群(約20%)
 

     ・外傷性(交通事故などによる頭部・顔面の損傷、手術による損傷)
 

     ・腫瘍しゅよう性(小脳橋角部腫瘍、耳下腺腫瘍など)
 

     ・耳炎性(中耳炎など)
 

     ・全身疾患( 糖尿病、白血病など)     …等

 

  中枢性神経麻痺… 脳の中の中枢神経系内に異常が生じる
 

      ・脳血管障害
 

      ・メビウス症候群    …等

 

 

 一般的な治療とは…

 

 ・薬物療法(主にステロイド剤や抗ウイルス薬)

 ・手術                     …等

東洋医学は人体と自然を融合した医学

 

病院で「顔面神経麻痺」の症状を訴えれば、
 

  ・顔   
  
・頚    …
 

に着目し、専門的かつ部分的な検査や治療を行い

ますが、改善が見られない場合があります。

 

西洋医学では原因不明で、対応が出来ない症状も、

東洋医学では根本改善を目指すことで、症状改善が

可能です。

 

この根本改善の意識が大切だと考えます。

 

あちこち悪いところがあるのに、1つの症状だけ良く

なるというのは、何だか不自然ではないしょうか

 

まずは全身を診て、一つ一つの症状にアプローチ

していくことで結果的に根本改善に繋がっていきます。

 

 

「五臓六腑」を意識した治療


 

東洋医学では、「顔面神経麻痺」に対して、

五臓六腑のツボを用いた鍼灸施術を行います。

五臓六腑の五臓とはそもそも、

 

 ・肝臓   …  

 ・心臓     

 ・胃腸系  …  

 ・呼吸器系 …  

 ・腎臓系    

 

を指し、それぞれに関連して症状が出やすい

場所というものがあります。

 

 

症状の出やすい方の特徴

 

基本的には、の体質と考えます

 

◆ 肺体質の主な症状は…

 

 ・首、肩こりがひどくて首が回らない

 ・肩甲骨の周りがこっていて腕が回らない

 ・鼻炎(くしゃみと鼻みず)や鼻づまりに困っている

 ・匂いの感覚が鈍くなった

 ・空咳が続く

 ・声がよく裏返る、かすれる

 ・眠りが浅い

 ・下痢(痛みと灼熱感を伴う)

 ・便秘やガスに悩まされる

 ・冷え性(特に手先、足先)

 ・肌が弱い(乾燥肌、アレルギー、かぶれ)

 ・風邪をひきやすい

 ・貧血気味

 ・頻尿(特に日中が多い)

 ・喘息

 ・うつ症状

 ・香辛料を強く好む          …等

 

◆ の体質の特徴は…

 

色白で、全体的にスリムな感じが特徴です。

頭の回転が良くて、眼鏡なんかもよく似合います。

流し目、うなじや首筋、くっきりした鎖骨、

肩ごしのしなやかさが魅力です。

 

肺の機能がいきすぎると、大腸に影響が出て

便秘やガス等に悩まされます。それから肝臓に

怒りをためやすくなってしまいます。

 

顔で言えば、頬にボリュームがあり

丸顔で優しさのある顔の方が多いです。

 

調子が悪いと、むくみからくる頬のたるみや

団子鼻が起こり、毛穴がはっきり、ほうれい線が

くっきりし、二重顎になりかねません。

 

◆ の体質の主な症状は…

 

 ・お酒が強い、もしくは全く飲めない

 ・目眩がある(グルグルするような)

 ・まぶたがピクピクする

 ・ドライアイや、眼精疲労、涙目…等、
  目に症状が出やすい

 ・頭痛持ちである

 ・肩こり、腰痛、首痛、足がつりやすい

 ・足や腕の筋肉がよくピクピクする

 ・爪がもろく、つやがない

 ・足の巻き爪や爪に縦線が入っている

 ・シミが増えた

 ・おへその直ぐ右側が硬い

 ・無意識のうちに歯ぎしりをしている

 ・便秘と下痢がよく起こる

 ・痔がある

 ・春にアレルギーや鼻炎花粉症に悩んでいる

 ・酸味が好きで良く柑橘類を食べる      …等

 

◆ の体質の特徴は…

 

第一印象として引き締まった体つきをしています。

にの腕、太もも、お尻、ふくらはぎなど

体のたるみというものに無縁なタイプです。

醸し出す雰囲気は理知的でそこのいるだけで

存在感があり、何かしらのオーラを発しています。

 

健康で元気な人の一番の魅力は、所作に表れます。

立ち上がる、歩くしゃがむ、足を組む、何事にも

上品な感じが漂います。相手に何かを差し出す、

ものを置く。その所作一つ一つが、心のこもった

印象を与えます。

 

 

 

症状は全て関連性がある

 

東洋医学による鍼灸施術は、薬に頼らず、体の機能を

高めて、全身の不快な症状にアプローチしていきます。

ですので、顔面神経麻痺以外の身体の不調改善して

いくことができます。

 

木を見て森をみずということわざがあります。
 

これは、一部分に気を取られ、全体を見ていないこと

言います。

 

医療において、特に近年の病院などは、その傾向に

あると思っております。

診察時は、顔を見ないでパソコンと向き合ったまま

問診し、症状に対しマニュアル通りの説明と機械的

に検査そして対処療法を致します。

 

お薬も含めての治療自体に悪いと言うことは一概には

言えませんし、改善したのであれば、良いのかも知れ

ません。

 

でも、そうでない場合は、心も含め体全体のバランス

も見て出来れば根本となる原因を探ることが賢明だと

思っております。

 

病院としても現実問題として、患者様一人一人に対して

時間をかけて、個別にかかわる事は難しいことと思い

ますので、

 

患者様一人一人が、意識できるよう東洋医学を通して

伝えていきたいと考えております。

 

 

治療で使う基本的な経穴(ツボ)

 ・太淵 (たいえん)

 ・太白 (たいはく)

 ・太衝 (たいしょう)

 ・光明 (こうめい)

 ・孔最 (こうさい)

 ・豊隆 (ほうりゅう)

 ・陥谷 (かんこく)

 ・三間 (さんかん

 ・肩髃 (けんぐう

 ・扶突 (ふとつ)        …等

経穴の紹介

太淵(たいえん)

「太」は、大きい、「淵」は、水の深いところ、物が多く集まる場所
という意味があります。

太淵は呼吸器症状に効果的なツボです。
例えば、咳・痰・喉の痛みや腫れ・鼻水・鼻づまりなどの症状に効果が
期待されています。

太淵は、手首前面横紋の親指側の陥凹部、橈骨動脈拍動部に位置します。
手首の手のひら側、親指の付け根の窪みにあるため見つけやすいでしょう。

豊隆(ほうりゅう)

「豊」は豊富、「隆」は隆盛、盛んであることの意味です。筋肉が豊富で
隆起している位置にあることから、この名前が付いたとされています

豊隆は胃の不調による便秘や頭痛、めまい、むくみなどの解消の効果が
期待できるツボです。

外くるぶしの一番高いところと、膝裏のしわを目安に膝関節の位置を探し
ます。この2点の中間地点で、すねの前後の幅の中央にあるのが豊隆です。

前脛骨筋という筋肉の外縁にあり、つま先側に足首を曲げると盛り上がり
ます

陥谷(かんこく)

陥谷の『陥』は「陥凹」、『谷』は山間の「谷」のことを
指しています。
このツボは第2・第3中足骨の間にあり、その部位が
谷のように陥凹している
ことから陥谷と名付けられました。

陥谷は、胃腸を正常に戻し水分バランスを整えてくれるため、
足のむくみは勿論のこと顔のむくみや美容効果にも期待できます。
それと免疫力向上、目の痛みなどに使用されることがあります。

陥谷の位置は、足の甲側の人差し指と中指の骨の結合部より、足先
に向けて指を滑らせた際に触れることのできる陥凹部にあります。

三間(さんかん)

「間」とは間隙のことを表していて、指先から3番目のツボと言う意味です。

肩や腕や指の痛みやしびれ、そして急性の目の痛み、歯痛、のどの腫れや痛み、
に使用されることがあります。

時には呼吸器系(咳など)や消化器系(満腹、腹鳴、下痢、便秘など)に
使用されることもあります。

三間は、人さし指の中手指節関節(第二関節)の上で、
親指側にある陥凹部にあります。

肩髃(けんぐう

「髃」は肩の前側の骨や肩先を指す文字で、骨と骨の間や肩の端という意味
を持ちます。

肩髃は肩周囲の痛みを改善するほかに、皮膚疾患や循環器疾患にも効果が期待
できます。対応する皮膚疾患は蕁麻疹やアトピー性皮膚炎、肌荒れと幅広く、
皮膚表層部の症状改善に適しています。

そして、高血圧や脳血管疾患による麻痺に対しても用いられるツボです。

腕を水平に上げ、肩関節の前側にできるくぼみをとります。腕を上げる前に、
肩甲棘と肩峰を確認しておくと見つけやすいでしょう。

扶突(ふとつ)

「突」は、高く隆起していることを指します。「扶」は、指4本分のことで、
3寸に相当します。
このツボは、喉頭隆起(俗にいう、のどぼとけ)から3寸離れているため、
「扶突」と命名されました。

扶突は、頭顔面部の作用として、喉の腫れや痛み、嚥下困難、そして臓腑の
病症と
しては、喘息、咳嗽、喘鳴などです。その他の病症として、リンパ節
の腫れなどに使用されることがあります。

扶突位置は、のどぼとけから3寸(手の親指以外の指4本分の幅)外側、
胸鎖乳突筋上に扶突があります。
このツボの位置はちょうど、下顎角
(エラの出っ張っている部分)の真下にあたります。

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