非定型歯痛(ひていけいしつう)

                                   公開日:2024年 9月10日      
                                   更新日:2024年 9月10日

目次

 非定型歯痛とは?

 

非定型歯痛は、「レントゲンなどでは明らかな異常が認められ

ない原因不明の歯痛で、抜髄(歯の神経を抜くこと)や根の

治療を何ヶ月も続けているのに、いっこうに痛みが引かない」

という病気です。

また、非定型歯痛は口腔顔面痛の30〜40%を占める病気で

広い年齢層に発症しますが、とりわけ40歳代の女性に多く

見られるのが特徴です。

痛みの出方や強度には波があり、夜寝る前に痛くなったり、

舌の一部や別の歯にまで痛みが広がる場合、あるいは群発頭痛

などと関連して歯が痛むケースもあります。

 

 

 症状とは?

 

精神的ストレスの影響が強いと言われていますので、

その観点からお伝え致します。

 

歯が浮いたような感じ

嚙み合ったときや何もしていなくても歯が浮いたような感じがする、

歯がかゆいなど違和感がでてきます。

 

歯茎が腫れている

歯茎が急に腫れてきます。免疫力が低下しているため、歯周病が

進行しやすくなります。歯茎から出血や膿がでている場合は、注意です。

 

歯と歯茎の両方がずっと痛む

痛みの原因が分からないまま長い時間経つと、何もしていなくても一日中

痛みがでてきます。原因不明なことで、さらにストレスが溜まる悪循環に

陥っている可能性があります。

 

朝より夕方の方が痛む

就寝後やお風呂に入った時などリラックスした状態であれば痛みはないのに、

時間が経つにつれて痛みが増してくる痛み方をします。

特に、夕方に痛みのピークを迎える方が多いです。

 

痛み止めが効かない

ストレスが原因である痛みは、原因が無くならない限り、痛みも無くなりません。

もちろん、薬の効果は低いです。

 

歯科医院で原因が分からなかった

視診やレントゲン撮影をしても原因は分かりません。

そればかりか、原因が分からないことへのストレスでさらに痛みが強くなります。

 

虫歯の治療後が痛む

治療を終えて完治しているのにも関わらず、歯が痛くなります。

虫歯の時の痛みを覚えているため、治療後の痛みの方がより強く感じます。

 

 考えられる原因

 

精神的ストレスの影響が強いと言われていますので、

その観点からお伝え致します。

 

免疫力低下

ストレスが高まると、カテコールアミンというホルモンが血液中で増大

します。すると、歯や歯周組織に流れている血管が充血して歯が痛いと

感じるのです。

寝不足や疲れにより、目の疲れや頭痛を引き起こす方がいるように、

歯の痛みを感じる方もいます。

ストレスが溜まったときに、歯に痛みを感じたり歯茎が急に腫れたのに、

いつのまにか治っていた、という場合もあります。

また、普段から歯周病などにより歯茎が腫れやすい方は症状が強くでる

可能性もあります。

 

歯ぎしりや食いしばり

ストレスがかかると、無意識のうちに歯を食いしばったり、就寝中に

歯ぎしりをしていることがあります。一時的でも歯に大きな力が加わると、

歯の周囲のクッションの役割をしている歯根膜にダメージを与え炎症を

起こします。

また、歯ぎしりや食いしばりにより、歯が削れたり歯茎が下がる可能性が

高くなり、知覚過敏や歯の痛みを発生させてしまいます。

 

唾液分泌量の低下

ストレスを感じていると交感神経が優位になり、唾液は粘り気のある質に

変わり、唾液の量も減ります。このような状態が長く続くと、お口の中の

pHが下がり虫歯ができやすい環境になります。

また、唾液には抗菌作用や自浄作用、湿潤作用などお口の中を清潔に保つ

役割があります。唾液が少ないとなると、虫歯だけでなく歯周病のリスク

も高めてしまい、結果的に歯の痛みを発生させます。

 

 一般的な治療とは…

 

 ・薬物療法(主に抗うつ薬)

 ・認知行動療法 (痛みから注意をそらせる)        …等

東洋医学的な治療を中心に行います

西洋医学(病院)では原因不明な症状も、

東洋医学では根本改善を目指した施術が可能です。

その理由は、東洋医学は人体と自然の融合した医学

だからです。

 

西洋医学は「非定型歯痛」の症状を訴えれば、
 

  ・歯   
  
・口腔    …
 

にしか着目しません。

 

しかし、東洋医学は症状と全身をみて「非定型歯痛

施術していきます。

それは、その他にお悩みの症状も持ち合わせている

事がほとんどだからです。

それら一つ一つの症状にアプローチしていくことで

結果的に改善していくのです。

 

「五臓六腑」を意識した治療


東洋医学では、「非定型歯痛」に対して、

五臓六腑のツボを用いた鍼灸施術を行います。

五臓六腑の五臓とはそもそも、

 

 ・肝臓   …  

 ・心臓     

 ・胃腸系  …  

 ・呼吸器系 …  

 ・腎臓系    

 

を指し、それぞれに関連して症状が出やすい

場所というものがあります。

 

症状の出やすい方の特徴

 

ストレスや環境の変化などの影響が

出やすいので、それを考慮して、

基本的には、の体質と考えます

 

◆ 肺体質の主な症状は…

 

 ・首、肩こりがひどくて首が回らない

 ・肩甲骨の周りがこっていて腕が回らない

 ・鼻炎(くしゃみと鼻みず)や鼻づまりに困っている

 ・匂いの感覚が鈍くなった

 ・空咳が続く

 ・声がよく裏返る、かすれる

 ・眠りが浅い

 ・下痢(痛みと灼熱感を伴う)

 ・便秘やガスに悩まされる

 ・冷え性(特に手先、足先)

 ・肌が弱い(乾燥肌、アレルギー、かぶれ)

 ・風邪をひきやすい

 ・貧血気味

 ・頻尿(特に日中が多い)

 ・喘息

 ・うつ症状

 ・香辛料を強く好む

 

◆ の体質の特徴は…

 

色白で、全体的にスリムな感じが特徴です。

頭の回転が良くて、眼鏡なんかもよく似合います。

流し目、うなじや首筋、くっきりした鎖骨、

肩ごしのしなやかさが魅力です。

 

肺の機能がいきすぎると、大腸に影響が出て

便秘やガス等に悩まされます。それから肝臓に

怒りをためやすくなってしまいます。

 

顔で言えば、頬にボリュームがあり

丸顔で優しさのある顔の方が多いです。

 

調子が悪いと、むくみからくる頬のたるみや

団子鼻が起こり、毛穴がはっきり、ほうれい線が

くっきりし、二重顎になりかねません。

 

 

症状は全て関連性がある

 

東洋医学による鍼灸施術は、薬に頼らず、体の機能を

高めて、全身の不快な症状にアプローチしていきます。

ですので、非定型歯痛以外の身体の不調改善して

いくことができます。

 

木を見て森をみずということわざがあります。
 

これは、一部分に気を取られ、全体を見ていないことを

言います。

 

医療において、特に近年の病院などは、その傾向に

あると思っております。

診察時は、顔を見ないでパソコンと向き合ったまま

問診し、症状に対しマニュアル通りの説明と機械的

に検査そして対処療法を致します。

 

お薬も含めての治療自体に悪いと言うことは一概には

言えませんが、

 

心も含め体全体のバランスも見て出来れば根本となる

原因を探ることが賢明だと思っております。

 

病院としても現実問題として、患者様一人一人に対して

個別にかかわる事は難しいことと思いますので、

 

患者様一人一人が、意識できるよう東洋医学を通して

伝えていきたいと考えております。

治療で使う基本的な経穴(ツボ)

 ・太淵 (たいえん)

 ・太白(たいはく)

 ・太衝 (たいしょう)

 ・光明 (こうめい)

 ・孔最 (こうさい)

 ・豊隆 (ほうりゅう)

 ・陥谷 (かんこく)

 ・合谷 (ごうこく

 ・大腸兪(だいちょうゆ)

 ・胃兪 (いゆ)     …等

経穴の紹介

太淵(たいえん)

「太」は、大きい、「淵」は、水の深いところ、物が多く集まる場所
という意味があります。

太淵は呼吸器症状に効果的なツボです。
例えば、咳・痰・喉の痛みや腫れ・鼻水・鼻づまりなどの症状に効果が
期待されています。

太淵は、手首前面横紋の親指側の陥凹部、橈骨動脈拍動部に位置します。
手首の手のひら側、親指の付け根の窪みにあるため見つけやすいでしょう。

豊隆(ほうりゅう)

「豊」は豊富、「隆」は隆盛、盛んであることの意味です。筋肉が豊富で
隆起している位置にあることから、この名前が付いたとされています

豊隆は胃の不調による便秘や頭痛、めまい、むくみなどの解消の効果が
期待できるツボです。

外くるぶしの一番高いところと、膝裏のしわを目安に膝関節の位置を探し
ます。この2点の中間地点で、すねの前後の幅の中央にあるのが豊隆です。

前脛骨筋という筋肉の外縁にあり、つま先側に足首を曲げると盛り上がり
ます

陥谷(かんこく)

陥谷の『陥』は「陥凹」、『谷』は山間の「谷」のことを
指しています。
このツボは第2・第3中足骨の間にあり、その部位が
谷のように陥凹している
ことから陥谷と名付けられました。

陥谷は、胃腸を正常に戻し水分バランスを整えてくれるため、
足のむくみは勿論のこと顔のむくみや美容効果にも期待できます。
それと免疫力向上、目の痛みなどに使用されることがあります。

陥谷の位置は、足の甲側の人差し指と中指の骨の結合部より、足先
に向けて指を滑らせた際に触れることのできる陥凹部にあります。

合谷(ごうこく)

「合」は2つの場所が合わさること、「谷」は母指と示指をくっつけると
盛り上がるところを指します。身体中のエネルギーが集まる谷のため全身
に関わっています。

合谷が最強のツボとも呼ばれる理由は、脳に最も刺激が伝わりやすいツボ
だからです。さらにストレスにも効果が期待できるため、自律神経症状や
ストレス性の便秘などにも有効です。他には、血圧を下げる効果もあり
ます。

合谷の場所は、手の甲側からが交わるところから、やや人差し指よりの
へこんだところになります。人差し指側に押すと見つけやすいです。

胃兪 (いゆ

胃の疾患の治療に用いられることから胃兪(いゆ)と呼ばれています。

胃兪(いゆ)は胃痛や消化不良、食欲不振などの胃の不調全般や、そこから
くる口内炎や口角炎に効果があるといわれているツボです。

胃兪の位置は、両手を下におろした状態で、肘の先端を背中側で結んだ線上の
1番隆起している場所が胃兪です。背骨から3cm外側の、押すと気持ちいいと
感じるところを探しましょう

大腸兪(だいちょうゆ)

大腸兪は、腸の働きを正常に整えることが名前の由来です。

特に便秘や下痢に効果と即効性があるといわれています。それとストレスや
自律神経の乱れ、生理痛、生理不順、冷え、などさまざまな原因に効果的です。

他にも腰痛や坐骨神経痛などにも効果が期待できます。

大腸兪は、腰骨の1番上のライン上に位置しています。第4腰椎の左右1.5寸の
場所にあります。
骨盤の1番高いライン上で、背骨から左右ともに指2本
(約4〜5cm)外側の筋肉の上あります。押してみて、痛いような気持ちいい
ような場所が大腸兪です。

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