ヘルニアはラテン語で「脱出」を意味します。
体の中にある臓器もしくは組織が何らかの原因によって、
本来の位置から脱出した状態の事を「ヘルニア」と呼びます。
ヘルニアになった箇所によって、
・頸椎(けいつい)椎間板ヘルニア
・腰椎(ようつい)椎間板ヘルニア
・横隔膜(おうかくまく)ヘルニア
・鼠径(そけい)ヘルニア
など、「部位+ヘルニア」といった呼び方をします。
脊椎は、椎骨と呼ばれる骨が連結してできています。
腰椎とは、脊椎の下のほうにあり、5個の椎体で構成された
部分です。椎体と椎体の間には椎間板があります。
椎間板は、水分をたくさん含んだゼリー状の髄核(ずいかく)
と、それを取り囲む線維輪(せんいりん)と呼ばれる軟骨組織
の二重構造になっており、腰椎に加わる圧力を分散させ、衝撃
を和らげるクッションのような役割を果たしています。
しかし、加齢などによって髄核を取り巻く線維輪が弾力を失うと、
小さな亀裂が入って、髄核の一部が外に飛び出します。
この押し出された髄核が神経を圧迫するため、腰に痛みが生じ、
この状態を放置していると、髄核がどんどん押し出されて、痛み
やしびれがだんだん強くなっていくというのが、一般的な考え方です。
腰椎疾患の中でも、比較的若年層に多く見られるのが
「腰椎椎間板ヘルニア」です。
しかしその病状はさまざまで、なんとなく腰痛を感じる程度から、
激痛の腰痛、ひどい場合には歩行障害や排尿障害まで起こることもあります。
まず腰に痛みが出ます。症状が進行するにつれて下肢に痛みが広がり、
おしりやふともも、ふくらはぎや足先に痛みや痺れを感じるようになります。
それはチクチクと針に刺されるような痛みが続いたり、
しびれるように痛んだりするなど、カンにさわるような痛みです。
程度によっては、「ビリビリ」「ジンジン」などとも言い表されます。
下肢の痛みやしびれは、多くの場合、右足か左足のどちらかにだけあらわれます。
さらに症状が進むと、神経麻痺や筋力低下が起こり、
足に力が入りにくくなります。日常生活ではつまずきやすくなる、
足先を細かく動かせず靴がはきにくい、足指をふんばれないため
スリッパが脱げやすい、といったことが起こります。
・おしっこが出しづらくなる(排泄障害)
・麻痺が強くなっている
中腰での作業や、重い物を持つなどの行為が積み重なることで、
腰椎椎間板ヘルニアの発症につながることがあります。
・重量物の持ち上げ
・スポーツ
・肉体労働
・外傷
・神経への圧迫の強さ、
・仕事上の満足度の低さ
・うつ、不安、ストレス
腰椎椎間板ヘルニアを治療する際、メインになるのは以下のような施術です。
・消炎鎮痛薬
・筋弛緩薬
・ブロック注射
・牽引施術
・低周波施術
・手術
技術が進歩したことで、かつては10センチほど
背中を切開しなければならなかったヘルニア手術も、
内視鏡手術で2センチほど切開すればすむようになりました。
しかし、一度飛び出してしまった椎間板をもとに戻す
ことは難しく、しびれの再発率も高くなっています。
術後10年で約半数が再発するといわれており、
再手術する場合はその難易度も高くなり、
リスクを負わざるをえません。
また、薬物処方やブロック注射、牽引施術にも副作用があります。
そもそも、椎間板ヘルニアになった根本原因を放置したまま
なので、いつ再発してもおかしくないのが実際なのです。
東洋医学では、一見「腰椎椎間板ヘルニア」に関係
ないと思われる症状も細やかに聞いていきます。
それは東洋医学の大原則、「不通促通」
(ふつうそくつう:通っていないと、痛みを促す)に
由来しています。
東洋医学では、「腰椎椎間板ヘルニア」の症状を腰という
局所部分だけの症状ととらえず、全身をみて施術していくためです。
たとえば、
・便秘
・肩こり
・生理不順
・食欲不振
・下痢
・足の冷え …等
一見「腰椎椎間板ヘルニア」とは無関係に思われる、他の症状などです。
「腰が痛いから、腰に原因があるに違いない」というのは
西洋医学的な偏った考えといえます。
体は全て繋がっていますので、東洋医学では全身の症状を見て、
施術を行っていきます。
東洋医学による鍼灸施術は、薬に頼らず、体の機能を
高めて、全身の不快な症状にアプローチしていきます。
ですので、「腰椎椎間板ヘルニア」以外の身体の不調
も改善していくことができます。
「木を見て森をみず」ということわざがあります。
これは、一部分に気を取られ、全体を見ていないことを
言います。
医療において、特に近年の病院などは、その傾向に
あると思っております。
診察時は、顔を見ないでパソコンと向き合ったまま
問診し、症状に対しマニュアル通りの説明と機械的
に検査そして対処療法を致します。
お薬も含めての治療自体に悪いと言うことは一概には
言えませんが、
心も含め体全体のバランスも見て出来れば根本となる
原因を探ることが賢明だと思っております。
病院としても現実問題として、患者様一人一人に対して
個別にかかわる事は難しいことと思いますので、
患者様一人一人が、意識できるよう東洋医学を通して
伝えていきたいと考えております。
・太衝 (たいしょう)
・光明 (こうめい)
・飛陽 (ひよう)
・外関 (がいかん)
・足臨泣 (あしりんきゅう)
・大腸兪 (だいちょうゆ)
・肝兪 (かんゆ)
・期門(きもん) …等
「太」は大きい、「衝」は要衝のこと。
原気(元気)が多く集まる場所で、旺盛な気血が巡る場所。
太衝(たいしょう)は肝経のツボで、目の奥へ走っている経絡なので、
目の奥に痛みを感じるときは、肝経に原因があることが多いです。
そして肝臓や筋肉、ストレス解消、不眠の改善、PMSの改善などにも働きかける
ツボです。
場所は足の甲で、親指と人差し指の骨の間が交差するところの前にあり、
動脈付近の窪んだところが太衝の場所です。足の親指の先端から、
人差し指の骨との間を足の甲に向かって触れていくと探しやすいでしょう。
光明の名前は光はひかり、輝く、照るの意味で、明は明らか、明るいの
意味があり、目を明るくするということから付けられています。
光明は、目をハッキリさせるのに効果を発揮するツボで、眼精疲労、眼痛、
目のかゆみなどの視力回復に良いとされています。目に関する作用のほかにも、
肩こりや足から腰にかけての症状で、特に坐骨神経痛等に効果があります。
両足の外くるぶしから指5本分上あたりの筋の間にあるツボになります。
だいたい外くるぶしから11cmのところにあるツボです。
大腸兪は、腸の働きを正常に整えることが名前の由来です。
特に便秘や下痢に効果と即効性があるといわれています。それとストレスや
自律神経の乱れ、生理痛、生理不順、冷え、などさまざまな原因に効果的です。
他にも腰痛や坐骨神経痛などにも効果が期待できます。
大腸兪は、腰骨の1番上のライン上に位置しています。第4腰椎の左右1.5寸の
場所にあります。骨盤の1番高いライン上で、背骨から左右ともに指2本
(約4〜5cm)外側の筋肉の上あります。押してみて、痛いような気持ちいい
ような場所が大腸兪です。
肝兪は、肝に近く肝経の気が巡る場所という意味で
「肝兪」と名付けられました。
東洋医学の「肝」は体全体に気・血・津液(しんえき)を巡らせ、
消化器機能や気持ちの調節をしています。
そのため、肝に異常が起きると肝臓や胃の不調・背部痛・めまい
・眼の充血など全身に影響が出るのです。
肝兪の位置は、両肩甲骨の下の角を結び、背骨とぶつかった
ところから約3cm下り、左右に指2本分のところが肝兪です。
目の上を臨む「頭臨泣」と対応することから足臨泣と呼ばれます。
足臨泣が属する経絡は目の近くから耳、頭を通り体の脇を経由し、
足の甲につながっています。そのため、頭痛や肩こりのほか、
食べすぎ、足の痛み、腰痛など体のさまざまな部位に効果が
あるといわれるのです。
足臨泣の位置は、足の小指と薬指の骨の付け根にあります。
骨と骨の間のくぼみにあり、「泣」という文字が使われるほど
押すと痛いため見つけやすいツボです。
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